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しかたのない蜜

しかたのない蜜

菊丸の誕生日  菊丸×リョーマ

 その日、菊丸は日曜日だというのに朝五時に起きて台所に向かっていた。
「朝っぱらから何やってるの、英二? 今朝の食事当番はあんたじゃないわよ」
 菊丸の姉が目をこすりながら菊丸の手元をのぞきこんだ。姉の寝ぼけた目はすぐに覚めた。
 菊丸はありったけの料理テクを駆使してバースデーケーキを作っていたのである。ケーキの中央には「Happy birthday Eiji」と書かれたチョコレートのプレートが置かれ、その脇には菊丸を模したと思われる菓子でできた人形がテニスラケットを持ってポーズを決めていた。
 菊丸の姉はしばしケーキに見とれてから口を開いた。
「……この人形、あんたにしちゃカッコ良すぎじゃない?」
「そう? 俺はそっくりだと思うけど」
 菊丸は姉には目もくれないで「よっしゃ、できた!」とガッツポーズを取っている。
「まあ、いいか。そのケーキ家族みんなで食べるために作ったのよね? おいしそう、食べるのが楽しみだわ」
 目を輝かせる姉に菊丸はキッパリと言った。
「ううん、これはおチビと俺が二人だけで食べるのっ!」

 約束の時間から十五分ほど遅れてリョーマは菊丸家にやって来た。チャイムの音が鳴ると菊丸は刺身を前にした猫のごとく玄関にダッシュしてドアを開けた。
「ようこそ、おチビ!」
「うぃ~っす」
 菊丸のハイテンションぶりとはうらはらにリョーマはけだるそうだった。
「日曜はもっと朝寝坊してたかったンスけどね。十二時集合って早すぎませんか?」
 ぼやくリョーマの肩を菊丸はちょんちょんとつついた。
「何スか?」
「おチビ、今日の俺って決まってると思わない?」
「はあ……」
 リョーマは胸を張る菊丸をまじまじと見つめた。菊丸は青いスーツで決めていた。リョーマは気づかなかったのだが、それは菊丸が今日は家にいない兄から無断拝借した有名ブランドもののスーツだった。ネクタイもちゃんとしてある。
「ねっねっ、俺って大人っぽくてカッコいいと思わない? さすが先輩、惚れ直しちゃうなんておチビも思ってるんじゃないかなーっと」
「……そッスね」
 リョーマのそっけない応答にも菊丸は「そうだろう、そうだろう」と大きくうなずいた。
「やっぱおチビは見る目あるよねえ、このっ!」
 菊丸はリョーマに抱きついて頬をすりよせた。リョーマは憮然としながらされるがままになっている。リョーマにしてみればノッてる時の菊丸に水をさすと後がうるさいので黙っているだけなのだったが。
 菊丸はいそいそとリョーマを自室にいざなった。
 折り紙で作られたオーナメントが部屋をカラフルに染め上げていた。壁には「菊丸英二くん 誕生日おめでとう」と菊丸らしい丸っこい字で書かれたボール紙が張られていた。
「これ、全部菊丸先輩ひとりがやったんスか?」
「もっちろん! 俺っていいセンスしてるでしょ!」
 黙り込むリョーマを菊丸は抱き上げて膝の上にのせた。リョーマの体は小さいので菊丸の腕にすっぽりおさまる。菊丸はそのままケーキの置かれているテーブルの前に座った。リョーマは「やめてくださいよ、家族の人が入ってきたらどうするんですか」とあらがったが、ケーキに目をとめてからは菊丸の腕から逃れようとするのをやめた。
「へえ……おいしそうッスね」
 リョーマは感心した様子でケーキを見つめた。
「そうでしょ! 将来、俺パティシエになろうかなーなんて」
 菊丸は上機嫌だった。ケーキの上のイチゴをひょいっと取って、リョーマの口に入れる。
「おいしい?」
 リョーマは口をもぐもぐさせながらうなずいた。
「このケーキ食べたら、俺おチビのこと食べたいなあ」
 菊丸はてへっと笑った。リョーマが振り向くと、そこには照れ笑いしながらリョーマに唇をつきだす菊丸の顔があった。菊丸の唇を手で押しのけながらリョーマはあわてて言った。
「き、菊丸先輩! 今日は先輩の家族、ほとんどこの家にいるんでしょ。もしそんなことしてる間に誰かが入ってきたらどうするんですか?」
「大丈夫。俺もそのへんはぬかりなく考えてあるにゃ」
 菊丸はチッチッチと人差し指を顔の前で振った。菊丸はスーツのポケットから一枚の紙を出して、あきれ顔のリョーマに見せた。
 その紙には「誕生日の方は半額サービス!」と書かれていた。
「何スか? これ」
「ラブホテルの半額クーポン! これと身分証持ってホテルに行くと半額にしてもらえンの!」
 リョーマはぽかんと口を開けたまま菊丸を見つめた。菊丸は「でへへ、おチビとラブホ行くの初めてっ」と一人でやにさがってリョーマに抱きついた。
「あの。俺たち、未成年だし学生でしょ? そんなところで身分証なんか見せたらまずいんじゃないスか?」
「一応、表向きはね。でもああいうところはルールがゆるいんだよ。結局はお金儲けが大事ってところが多いしね。フロントもほとんど無人みたいなもんだし、制服姿のカップルも結構来てるよ」
「……どうして菊丸先輩、そんなこと知ってるンすか?」
 リョーマの何気ない問いに菊丸はのけぞった。「ドキッ!」と擬音をつけたいような狼狽ぶりだった。
「え、えーっと、そ、それはね……」
 菊丸がダラダラと冷や汗をかきながら必死にいいわけを考えていたその時。
 ドアがノックされた。
 リョーマはあわてて菊丸の膝から飛びのいた。
 菊丸がドアを開けると、そこには紙袋を持った不二と手塚がいた。
「誕生日おめでとう、英二。英二を驚かせようと思って、今日は手塚を誘って英二の誕生日を祝いに来たんだ」
 不二はにっこりと菊丸に笑いかけた。
「菊丸、俺たちがいきなり来て都合は悪くはないか? 越前が先客だったようだが……」
 手塚はリョーマにちらりと視線を投げかけた。
「う、ううん。全然かまわないにゃ。さあ、上がって上がって」
 手塚を前にして「リョーマと二人っきりでいたいに決まってるだろっ! このおバカさんが」とは言えない菊丸であった。
 リョーマは涼しげな顔をしてテーブルの前に座っていた。手塚と不二は菊丸の出したざぶとんの上に腰をおろした。
「このケーキ、英二が作ったの? おいしそうだね。でも四人で食べるにはちょっと小さいか」
 不二が残念そうにつぶやいた。
(だっておチビと二人っきりで食べるサイズなんだもん)
 菊丸は内心むくれつつも、「え、そうかにゃ?」と首をかしげた。
「僕、今日みんなで食べるためのケーキを持ってきたんだ」
 不二は紙袋から箱を取り出した。箱を開けると、中から大きなデコレーションケーキが出てきた。
「す、すごい……」
 ケーキの見事さに菊丸は無意識のうちにつぶやいていた。手塚までもが感嘆の声を上げていた。
 チョコレートのかけられたスポンジに、レース編みとみまがうほどの白い生クリームのデコレーションが添えられている。トッピングのフルーツの飾り付けといい、まさに一流の匠による作品だった。
「これ、不二のお姉さんが作ったんだよね?」
「ううん。僕が作った。まだまだ下手なんだけど、みんなに食べてもらいたいなと思って」
 菊丸の問いに不二は笑顔で答えた。
(ここまで完璧だと、ものすご~くイヤミ……)
 不二のケーキと比べると明らかに見劣りする自分のケーキにがっくりしながら菊丸は思った。
「不二先輩、このケーキ四人で食べるにしちゃヤケに大きいッスよね? どうしてですか」
「ああ、それは」
 リョーマの質問に不二は少し言葉を切った。菊丸はなぜか嫌な予感がした。
「青学テニス部の他のみんなも英二の誕生日を祝おうって誘ったんだ。悪かったかな?」
「べ、べつに……」
 悪い予感は的中した。リョーマとの二人っきりのバースデーパーティの計画はもろくも崩れ去ってしまった。
「どうした、英二? 暗い表情をして」
 手塚に問われて菊丸は無理矢理笑って「嬉しくって涙が出そうなんだ」と答えた。
 その時、不二がテーブルの隅に置いてあった紙切れをなにげなくつまみあげた。
「このホテル二人で昔よく行ったよね、英二」
 不二のほがらかな物言いに部屋の空気は凍った。菊丸は本当に泣きたかった。
 菊丸にとっての助け船は、その後すぐ菊丸家にやってきた青学レギュラーメンバーたちだった。


夜空に月が輝いたころ、ようやく菊丸のバースデーパーティはお開きとなった。
 各自が持ち寄ってきた飲み物、食べ物や河村が握ってきた寿司で全員の腹はふくれていた。菊丸一家を巻き込んで宴会は行われ、菊丸祖父所有のカラオケマシーンによるカラオケ大会など楽しいひとときだった。
 菊丸にとってはものたりない楽しさだったが。
「菊丸先輩、今日はお邪魔したッス~!」
 桃城が勢いよく菊丸に手を振った。
「みんなまた遊びに来てね!」
 菊丸の姉にウィンクされて大石は赤くなった。
「英二、あとでバースデースペシャル乾汁をちゃんと飲んでおくんだぞ。効果抜群だからな」
 乾は名残惜しげに言った。
「それでは今晩はこれでお邪魔させていただきます」
 レギュラーメンバーを代表して手塚が一礼した。
 こうして菊丸家から青学メンバーは去っていった。もちろんリョーマも含めて。
 菊丸は彼らの背中が夜闇に消えていくのを見送ってから、大きくため息をついた。
「友達があんたの誕生日を祝ってくれたっていうのに何辛気くさい顔してるのよ、英二?」
 玄関のドアを閉めて部屋に引き下がろうとする菊丸に、菊丸の姉は不思議そうな表情をした。
「あ、わかった! あのおチビちゃんとやらと不埒なことでもしようとたくらんでたんでしょう?」
「姉貴、うっさいぞ!」
 階段を上ろうとしていた菊丸は振り返って、姉を思いっきりにらんだ。大きな双眸には涙がふくれあがっていた。
「わかりやすい弟だこと……」
 階段をのぼっていく菊丸の荒々しい足音を聞きながら、姉はあきれてため息をついた。

 しばらく歩いたころ、手塚が思い出したように言った。
「越前、俺は英二の家に忘れ物をしてきたことを思い出した。ちょっと取ってきてくれないか。返すのは次の部活の時でいい」
 リョーマは少し驚いたように手塚の表情をうかがっていた。
「手塚が忘れ物なんて珍しいな」
 大石は意外そうだった。
「後で直接、英二に返してもらえば?」
 河村がそう提案した。
 手塚は二人の発言を無視してリョーマにもう一度依頼した。
「行ってきてくれるか、越前」
「……いッスよ」
 リョーマは手塚に背を向けて、元来た道を引き返して行った。
「手塚も人使いが荒いね」
 不二がいたずらっぽく言った。
「お前が英二をいじめるからだ」
 手塚は横目で不二を見ながら小声で言った。
 不二は肩をすくめて笑った。

 ドアの外にリョーマが一人で立っているのを見た時、菊丸は飛び上がらんばかりに喜んだ。
「おチビ、どうしてもう一回ウチに来てくれたのっ? さては俺と二人っきりで会いたくて……」
「単に、手塚先輩に忘れ物取りに行ってくれって頼まれただけなンすけど」
「手塚が忘れ物っ?」
 菊丸は首をひねって思案をめぐらせた。そして少し頬を赤くしながらリョーマの手をつかんだ。
「手塚は俺たちに気をきかせてくれたんだよ」
「気をきかせるって……?」
「こういうことっ!」
 事態が飲み込めていないリョーマの手を引っ張って、菊丸は自室にひっぱっていった。

 リョーマは落ち着かなげにサーモンピンクで彩られた部屋を見回した。
「こういうインテリアもめずらしくっていいでしょっ?」
 菊丸はごまかし笑いをしていた。
「これのどこが普通のおしゃれなホテルと見分けがつかないンスか? 思いっきりうさんくさいんですけど……」
 眉宇をしかめるリョーマの声を菊丸は聞こえないふりをして、ホテルに備え付けられたポットでお茶を煎れた。せっかくリョーマをなんとか説得してここまで連れてきたのだから楽しい一夜にしたいのである。姉は両親にうまく言っておくと約束してくれたし(ただし口止め料と引き替えだが)、リョーマの両親も息子の宿泊を許してくれた。
 つまり今夜は。
(おチビとふたりっきりっ!)
 菊丸は毒々しいインテリアで飾られた部屋中を走り回りたいほど興奮していた。やにさがる口元からはよだれがしたたりそうな勢いだった。
 今日はホテルが満室状態で、この趣味の悪い部屋しか空いていなかったというアクシデントには目をつぶろう。なにせ半額だったのだから。
「菊丸先輩、何一人で笑ってるンすか?」
 リョーマの気味悪そうな声に菊丸は我に返った。いつのまにか菊丸は「ふっふっふ」と声をあげて笑っていたのだった。
「なんでもないにゃ。嬉しかっただけっ。だっておチビと一晩二人っきりでいられるんだもんっ」
 菊丸はリョーマをひとおもいに抱きしめて、ベッドに押し倒した。リョーマの視線は菊丸の肩越しにある天井に向けられていた。菊丸はそれに気づいて振り返って天井を見た。
 天井は鏡張りだった。
(あちゃー……)
 菊丸は内心冷や汗をかいた。人気のない部屋だけあってこういうものがあったりするのである。
「悪趣味」
 リョーマがマイナス二度のまなざしを菊丸に向けてつぶやいた。菊丸は空元気いっぱいに笑うしかなかった。
「菊丸先輩、こういうところに来慣れてるンスね」
 リョーマにいきなりそう言われて菊丸はとまどった。
「え?」
「だってさっきからずいぶんくつろいでるんだもん。俺は違和感ありまくりだってのに。やっぱり先輩っていろいろ経験豊富なんだ。俺の知らない過去が先輩にはたくさんあるんですね」
 リョーマは菊丸から目をそらして笑った。その寂しそうな表情に菊丸の胸はしめつけられた。
 菊丸はいきなりリョーマから体を離した。リョーマが面食らっている間もなく、菊丸はベッドの上で土下座していた。
「ごめん! たしかに俺、おチビと出会う前には結構いろいろあったっ」
 リョーマはたじろいで自分もベッドの上に座った。
「そんな謝られても……」
「でも俺、今はおチビのことが大好き! おチビと初めて一緒に過ごせた誕生日の今日が、今までで一番幸せな誕生日だよっ。だから、だから……」
 菊丸の体はリョーマにつつまれていた。リョーマは土下座した菊丸を抱きしめたのだった。
「おチビ……?」
 菊丸が驚きと喜びの入り交じったまなざしをリョーマに向ける。
「まったく大げさなんだから、先輩は」
 リョーマは菊丸の頬にキスをした。菊丸はリョーマの肩に手を回してささやきかけた。
「ねえ、おチビ」
「何ですか、先輩?」
 リョーマが甘い声で訊き返す。
「あのさ、今日は俺の誕生日だからひとつお願い訊いてくンないかな?」
 菊丸の情にほだされていたリョーマは深く考えずに答えてしまった。
「いッスよ」
「じゃあ、おチビの体に生クリーム塗ってなめていい? 家から持ってきたんだ。これぞ本当の人間バースデーケーキ! なんてねっ」
 リョーマはこんな人間をいとおしいと一瞬でも思ってしまった自分を心の底から後悔した。

 朝日のさしこむけばけばしい部屋でリョーマは目覚めた。
 傍らには菊丸が大の字になって高いびきをたてている。
「おチビ……大好きだにゃ~」
 菊丸はしあわせいっぱいとしか形容しようのない表情で眠りこけていた。
 結局昨夜、リョーマは菊丸のいいようにされてしまった。体に塗られたクリームを執拗になめられているうちに、いつしかリョーマは菊丸を求めていたのである。おまけに自分のそんな姿を鏡で見なければいけないのは刺激が強すぎた。本気で恥じらうリョーマに菊丸はオヤジさながらに燃え上がり、結局明け方まで寝かせてくれなかったのだった。
「おチビ、愛してるっ」
 菊丸はそう寝言で叫んだかと思うと、思い切りリョーマをキックしてベッドから落とした。寝相の悪さだけでは片づけられない傍若無人ぶりだった。
「……ムカつくんですけど」
 しりもちをついたリョーマは青すじを立てながらつぶやいた。体勢を立て直そうと立ち上がった時、ベッドサイドに置かれた「愛の思い出ノート」と書かれたノートとサインペンが目に入った。
 リョーマはにんまりと笑いながら、サインペンを手にした。

 菊丸は昼近くに帰宅した。起きた時にはリョーマの姿はすでになく、チェックアウト時間が迫っていたので大急ぎで一人ホテルを出たのだった。リョーマの気まぐれには慣れているので、べつにリョーマがいないことは気にしていなかった。だが、道行く人々がくすくす笑いながら自分の顔を見ているのが気になった。
(今日の俺ってそんなに幸せそうな顔してるのかな。そりゃそうだよね。だって昨夜はおチビと……)
 うひゃひゃひゃ、と菊丸は一人身をよじって笑った。
「お帰り、英二。何一人で笑ってンの? やだ、英二ったら!」
 菊丸を出迎えた姉がいきなり菊丸の顔を指さして笑い出した。
「ね、姉ちゃん何っ?」
「あんた鏡見てみなさいよ」
 姉に言われた通り、菊丸は洗面所の鏡の前に向かった。
 鏡には頬にサインペンで「Happy birthday!」と書かれた菊丸の姿が映っていた。
「ああ、おチビのヤツめ!」
 菊丸はシャウトした。

 リョーマは自宅でカルピンと遊びながら、ふと部屋の時計を見た。そろそろ菊丸は帰宅しているころだろうか。
(菊丸先輩、今頃大変だろうね。だって油性サインペンで書いた文字ってなかなか消えないんだもん。俺、昔油性ペンであちこち落書きしてさんざんおふくろにしかられたからね)
 リョーマはそう考えて、プッと吹き出した。
「リョーマさんがそんな楽しそうな顔するなんてめずらしいですわね」
 リョーマに日本茶を運んできた奈々子がほがらかに言った。

 それから三日ほど、何度洗っても菊丸の顔に書かれた文字は消えなかった。
 菊丸が一躍学校で熱い注目の的になったのはいうまでもない。


                            終



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